チームメンバーで経験を掘り下げる

「10年ほど前、仲間と3年かけてパターン・ランゲージをつくったことがあります。正直、大変でした。でも今日教えてもらってやってみて、これなら組織の中でもできるかもしれない、と感じています」


ラウンドテーブルの終わりに、ある参加者が話してくれた言葉です。

2026年10月22日(木)、株式会社クリエイティブシフトはパターン・ランゲージを知り、つくることを体験する「すべてのシゴトを、クリエイティブシフト。|Round Table 2026」の第1回を、六本木・国際文化会館で開催しました。各回10名限定、3時間の会。人材育成やマネジメント、組織づくりに携わる企業・自治体の方々が、自分の成功経験を素材に、まだ言葉になっていない実践知を「パターンの原石」にする体験をしました。

この記事では、その様子をご紹介します。

開催概要

・日時:2026年10月22日(木)13:30〜16:30

・会場:国際文化会館(東京・六本木)

・ファシリテーター:AKI(株式会社クリエイティブシフト パターン・ランゲージ組織開発パートナー)、正井美穂(同 代表取締役)、阿部有里(同 専務)

「やってみる」が広がる組織へ。コツの言語化を体感する3時間。

新しい制度をつくった。研修もした。成功事例も共有した。それでも、現場では「わかる」で止まり、なかなか実践が広がらない。多くの組織が、こうした悩みを抱えているのではないでしょうか。

伝えるものを増やせば、現場はかえって「また何か始まった」と疲れてしまうこともあります。足りないのは、知識ではないのかもしれません。会社の中には、すでに優れた実践がたくさんあります。大切なのは、その「具体」を「正解」として横に広げることではなく、経験の本質を、別の人が自分の状況で活かせるカタチにすることです。その方法がパターン・ランゲージです。


このラウンドテーブルでは、パターン・ランゲージについて学ぶだけでなく、参加者自身が手を動かします。「なぜ、それはうまくいったのか?」を自らに問いかけながら、自分の成功経験を掘り下げていきます。そこから見えてきた実践の勘所に名前をつけ、「パターンの原石」に仕上げていきます。
そして最後に、一人ひとりが自分のつくったパターンを発表したところ、異業種の参加者からも「おぉ〜」と歓声と拍手が。まさに10個の「伝わる言語」が生まれた場となりました。

この体験を通じ、ご参加者が抱いた感想をご紹介します。

緑を望む窓際で対話する参加者

参加者が持ち帰った、3つの発見

01 名前がついた瞬間、経験が「使える言葉」になる

“ぴたりとはまるパターンの名前を思いついたときの達成感が印象に残っています。All-WINという、みんなで成功し幸せになるというビジョンを掲げているので、こういうカードをつくると喜んでもらえるんじゃないかと。”

“良い思考訓練になりました。でも、継続していくには一定の思考技術や思考体力が必要そうです。だから最初から多くのパターンをつくるのではなく、まずは5つ程度から始めるのも現実的かもしれない。コンプライアンス、D&I、DXといった大きな概念も、自分たちの日常の実践につながり、共感できる言葉へと翻訳することが大切だと実感しました。”

自分の中にあった成功の感覚に名前がつくと、それが人に渡せる言葉になる。言葉にして届ければ喜ぶ人がいる、大きな概念も自分たちと繋がればやりたくなる。自分で「誰に何を届けるのか」を考え、言語化してみたからこその感想です。

02 「価値とは何か」を、組織として問い直す

“価値とは何か、優秀とは何か。チームの中でそんな議論になりました。例えば営業の仕事では、売上を上げた人が高く評価されます。しかし、売上の高さと、その人の姿勢は、必ずしも一致するわけではありませんし…”

“つくってみて、やはりこれは「問い」だと思った。”

自分たちの組織にとって本当に大切な価値は何か。それを対話していくことって大切なのではないか。パターンをつくる過程で本質に迫るうちに、ふだんは問わずに済ませている前提に自然と目が向きます。4人でご参加いただいたチームのリーダーは、一緒に参加したメンバーも、それぞれが自分なりに考えて少しいつもとは違う言葉にしていた姿も印象的だったとも話されていました。

03 自分たちでつくるから、自分たちのものになる

“どれほど完成度の高いものであっても、外から与えられたものでは、なかなか自分たちのものとして受け止められません。一方、自分たちでつくったものであれば、実践してみようという気持ちも生まれます”

“問いを組織の中でも共有し、自分たちらしい価値観や行動のあり方を育てていけるとよい”

自分たちのノウハウや価値を、自分たち自身の手で言語化するという点に良さを見出した方も。

できあがったパターンに解釈の余地があり、それぞれが自分の状況に引き寄せて使えることにも、大きな価値を感じるという声もあがりました。

会社から立派な方針が示されても、現場では「上から降りてきたもの」と受け止められてしまうことがあります。その壁を越える鍵は、自分たちの言葉で、自分たちの実践を形にすることにあるのかもしれません。

次々に熱のこもった発表が続いた

3時間の会から、次の一手がもう動き出している

印象的だったのは、ふりかえりの時間に、参加者のみなさんが「この先、自分の組織でどうするか」を具体的に語りはじめていたことです。

組織の規模も課題もそれぞれですが、大きな概念の実践支援に、姿勢の引き継ぎに、助け合える対話づくりに、社員の力を引き出すマネジメントに…。多様な業種・職種の方が集まった会でしたが、誰もが自分の業務に引き当てて「こうすればこうなるかも」「つくるなら、こうした方がいいんじゃないか」とどんどん具体的に話が深まっていきます。
テーマや目的が違っても、どの方も「まずはここから」という自分なりの入口をご自身でつかまれたようでした。《つくることによる学び》を掲げるクリエイティブシフトとしても、制作体験を通してご理解とイメージが広がっていくこの熱気に、ご参加者と同様、学びのあり方を考えるきっかけをいただけたように思います。

おわりに

会場の様子

会社の中には、まだ言葉になっていない実践知が眠っています。それは特別な誰かだけが持っているものではなく、日々の仕事の中で、一人ひとりが試行錯誤しながら生み出してきたものであり、組織の今を築いてきた“地に足のついた知恵”です。

ご参加の皆さんがこの日生み出した10個の言葉。その感覚をきっかけに、組織に眠る知恵を活かし新たな実践を生んでいく一歩が進んでいくのだと感じました。

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

第2回 Round Table 2026 参加者募集中

あなたの会社には、まだ言葉になっていない、どんな実践知が眠っていますか。

第2回も、ご自身の経験を素材に「パターンの原石」をつくり、自社のテーマへつなげる3時間です。「ウチのこのテーマでも使えるだろうか?」という段階で構いません。

・日時:2026年11月16日(月)13:30〜16:30

・会場:国際文化会館(東京・六本木)

・定員:10名限定

・参加費:5,000円

・同じ会社から2名でご参加いただくと、御社のテーマを直接扱うことができます

お申し込みはこちら(Peatix)

日程が合わない方へ:「自社での活用について一度話してみたい」という方には、オンラインでの個別相談も承ります。contact(at)ml.creativeshift.co.jp までお気軽にお問い合わせください((at)は@に変えてください)。