2025年7月28日(月)、29日(火)の2日間、「教育とパターン・ランゲージ PATTERN LANGUAGE FEST 2025 for Teachers」を開催いたしました!
夏のパターン・ランゲージ・フェスは丸善雄松堂さんとの共同開催として3年目となりますが、今年は初めて分野を絞っての開催です。参加者を「先生」に絞ったリアルイベントとなりましたが、述べ70人の先生方にお集まりをいただき、活気あふれる2日間となりました!

先生は保育園から大学院まで。一緒に話せるのがパターン・ランゲージの良さですね!
プログラムについて
ここ数年、学校現場でパターン・ランゲージを使う新たな動きが出てきています。一方で、パターン・ランゲージやクリエイティブ・ラーニングへの関心が高まるにつれ、すべての講演依頼にお応えできない状況が出始めてきてしまいました。
そこで、学校での最新の活用事例を共有し、関心の高い先生と可能性について議論し、その場から新しい発見を生み出すことで教室での新しい実践を進めていこう!としたのが本イベントの目的です。
生徒児童が自発的に「やってみたい」と思い、行動を変えていく!
生徒児童同士で進めていける!
など、パターン・ランゲージは教育現場で本質的に学びのスタイルを変えていけることが垣間見えてきています。
そんな効果をリアルに体験しながら、先への見通しも得られるよう理論&実践で…という2日間のプログラム。
1日目は、すぐにも使える授業ツール「パターン・ランゲージ・カード」を使った「プレゼン」と「探究」の新しい授業の具体的なイメージを。
2日目は、「教える」のではなく「学びを生み出す」ための教師のあり方について。また、さまざまな教育にまつわるパターン・ランゲージを使ってワークを行いました。
セッション報告(抜粋)
本レポートでは、2日間の計9セッションより、抜粋して4つのセッションのレポートをお届けします!
なお、実際の内容はアーカイブでご覧いただけます。
〈セッション1:小学校での「プレゼンテーション」授業実践報告〉
埼玉県戸田市の小学校で、「プレゼンテーション・パターン」を使った授業を行なっている為田裕行さん(フューチャーインスティテュート株式会社 代表取締役)による実践事例の紹介と模擬授業。
為田さんは、文部科学省 ICT活用教育アドバイザーや、戸田市教育委員会 21世紀型スキル育成アドバイザーでもあり、教育のあり方を現場から変革しています。
小学校や中学校での新しい授業を進める中でパターン・ランゲージの有効性を感じ、短期間で成果の見えやすい「プレゼンテーションパターン」を使った授業を複数の学校で展開されており、その示範授業の報告、また模擬授業もしていただきました。

現場の先生方にとっても実践しやすく、子どもの変化もすぐに感じられるカードを使った対話のワークを、参加者のみなさんにも体験していただきました!
*本報告は、授業風景が多く投影されるためアーカイブでの提供はございません。
*ご本人による詳しいレポートはコチラをご覧ください。
参加者の感想:
・実際の使用場面を見られたことは、自身が実践してする上でとてもよいセッションだったと思います。
・プレゼンテーションの授業はとてもわかりやすく、驚きました。これなら自分の学校の生徒にも伝えられると思いました。参考にさせていただきます。
・プレゼンテーションに限らず小さな発表などでも、自己評価・他者評価で使えそうな気がしています。
〈セッション2:講演 教育とパターン・ランゲージ〉
日本のパターン・ランゲージ作成研究の第一人者である井庭崇(慶應義塾⼤学総合政策学部教授、株式会社クリエイティブシフト取締役会⻑)が、最新の理論や事例を交えながら、教育とパターン・ランゲージの親和性や活用方法について語る講演。

「そもそもパターン・ランゲージとは何か」「どのように作成されているのか」から始まり、「子どもたちがつくる中で学ぶ教育には何が必要なのか」「これからの時代の教育・教育者はどのようにあるべきか」などを、最新の方法論や理論、考えを交えながら語りました。
参加者のみなさんの、スライドを写真を撮る手が止まらない!? ここでしか聞けない最新の説明が盛りだくさんの1時間でした!
参加者の感想:
・井庭先生のお話でパターン・ランゲージのバックグラウンドが理解できました。
・小学校で、教科教育の研究を行っています。附属小学校の授業は公立小学校ではできないと言われますが、パターンランゲージの発想を借りれば、伝える方法があるように思いました。
〈セッション3:中学・高校での「探究」授業実践報告〉
よりよい探究学習を行うための36個の考え方(ヒント)を言語化した「探究パターン」の中学・高校での実例報告と、実際にカードを使ったグループワークの体験です。
まず、探究カードを共同開発した株式会社ベネッセコーポレーション 探究ナビ制作担当の⻄村早織さんから、高校教材として使われている「探究PLカード」の現状についてご紹介。また宝仙学園で探究パターンBasic(試作版)を活用して授業を行っている⽶澤貴史さん(学校法⼈宝仙学園 順天堂⼤学系属 理数インター中学校・⾼等学校教諭)が実践事例を語りました。
参加者の感想:
・今年度学校の研究部会を任されて、どのように同僚と対話を進めて行こうか模索していたので、今回の探究のPLに出会い、これだ!と感じた。
・実際にグループワークでカードを手にすることが出来たので、使い方のイメージをつかむことが出来てよかったです。
・より質の高い深い学びの実現に向けた「探究的な学び」の充実を図るために、本市として目指す学習者像を策定するうえで大きな示唆をいただいた。
*本報告は機密情報が含まれるため、アーカイブでの提供はございません。
*探究パターンBasic(高校向け探究カードを初心者向けにアレンジしたもの)は試用プロジェクトを実施中です。詳しく知りたい方は弊社までご連絡ください。
〈セッション5:市川カ✕井庭対談 ジェネレーター〉
近年大注目の、ともに発見しともに学ぶ教師のあり方「ジェネレーター」を生み出した市川力さん(⼀般社団法⼈ みつかる+わかる 代表理事)と井庭崇が、自身の事例を紹介しつつ、最新の考えを自由に語る対談。

これからの教師像は、議論を進めるファシリテーターではなく「ジェネレーター」である!というメッセージのもと、井庭の慶應SFCでの研究室での実践や、市川さんのFeel度Walkの取り組みを紹介しました。教師という枠を飛び出した、パワフルで面白い2人の姿に、会場も大盛り上がりでした!
参加者の感想:
・教師の在り方として「ジェネレーター」という視点を今後の教育に活かしていきたい。
・市川先生が、誰よりも生き生きと楽しまれている様子がよくわかりました
全体への感想&アーカイブ
外の熱気に負けない大盛り上がりの2日間、アンケートではオドロキの「満足度100%」!
皆さんの感想はこちら…
・もっとたくさんの先生方やキャリア教育を推進している自治体、NPOに知ってほしいと思いました。
・理論と実践のバランスがよく、充実した研修でした。
・パターンランゲージを本校に取り入れることができないか模索しています!
・一歩踏み出して参加できて本当に良かったです。さっそく学校に戻って学年主任に話し、二学期からチャレンジすることになりました。心折れそうになった時には、PLカードに立ち返り、自分を鼓舞しながらやっていきたい。
【まだ間に合う!アーカイブをご視聴いただけます!】
アーカイブでは、上記の井庭講演・井庭×市川さん対談を含め、以下の6セッションをご覧いただけます。くわしくはコチラ。
アーカイブコンテンツ:
・井庭講演「教育とパターン・ランゲージ」
・井庭×市川対談「ジェネレーター」
・子どもが主体の学びをつくる 45 のコツ「アクティブ・ラーニング支援パターン」
・創造的読書のパターンを使ってジョン・デューイ「経験と教育」を読む
・相手を理解するための「対話」のコツ30「対話のことば」
・学校教育に関連する4つのパターン・ランゲージ紹介
続きはオンラインコミュニティへ…
そして8月より、このリアルイベントのオンライン版ともいえる「アクティブ・ラーニング支援パターン実践講座&コミュニティ」も始まりました!
学齢や教科や学校を超えて教室での実践をもちより、先生たちが集って学び合う場です。
生徒を主体とした学びを考える45のコツが詳しく記載されたパターン・ランゲージ「アクティブ・ラーニング支援パターン(通称ALP:エーエルピー)」をもとに事例を共有し、新たな実践に取り組みます。詳しくはこちら!
先生がた、ぜひご参加ください!今後も一緒に新しい教育実践を見つけていきましょう!
本年も「パタラン・フェス」へのご関心をありがとうございました。
また来年も楽しい時間を共有できることを楽しみにしています!