もっと分かり合いたい、関係を改善したい。そんな時は、「対話」で向き合ってみませんか。

もっと分かり合いたい、関係を改善したい。そんな時は、「対話」で向き合ってみませんか。

  • もっと分かり合いたいと思う人がいる。
  • 相手の気持ちが分からず、どう接したらよいか分からないときがある。
  • 腹を割って話したいのに、相手になかなか心を開いてもらえない。

家庭、学校、職場、地域など、私たちはさまざまな人と関わりながら暮らしています。それは、喜びや悲しみをともに分かち合い、ひとりでは成し遂げられないような成果を生み出すなど、大きな力を与えてくれることは言うまでもありません。ですが、その一方で、誤解やすれ違い、衝突といった問題もしばしば起きてしまいます。

私たちは、一人ひとり見ている世界や感じ方が違います。それを考えると、すれ違いというの避けようのないことかもしれません。しかし、ときにはそうしたことは、人を追い詰め、深刻な問題に発展させてしまったり、みんなで力を合わせようという活動を壊してしまったりすることもあるのです。

関係を改善したい、より深く分かりあいたい、そんな方のヒントに。

多様な人が交わることで起こる問題を解消する方法のひとつに「対話」があります。社会が変化し、新しい状況に向きあっている現在、ともに理解し合い、力を合わせていくことはますます重要となり、それゆえ「対話」の力を高めることは一層大切になっていると言えます。

「対話のことば」は、対話とは何かを理解しその力をより多くの人が活かしていけるよう、対話という行為を紐解き、その心得を30の言葉でまとめたものです。対人関係の中で起こってしまっている問題を解消したり、また、会話を超え、より分かり合ったりすることを目的としています。もとは、オープンダイアローグという実績のある方法をベースとしていますので、より深く分かりあいたい、関係を改善したい、そんな方には何かのヒントが見つかるのではないでしょうか。

カードという第三者的な存在を介する事で、お互いの存在の間に配慮という豊かな間が生まれたように思います。

障害のある人たちの場作りをしているボランティアグループの方を対象としたボランティア講座の一環で、対話のことばカードを使ってワークショップをしました。


「どんな思いを込めて場を作っていますか?」「その中で人との関わりで大切にしたいことは何ですか? 」など、ひとりひとりが普段どのような思いを持っているのかが、その人の源泉に繋がるようなことがカードに書かれていることばを見ることで、想起されたり言語化されたり。同じことばでも各々が少しずつオリジナルのイメージを持っている事に気づくことが出来ました。


職場の中で、プロジェクトを立ち上げる時に何を自分が大切にしていて、プロジェクトの目指すことは何なのかをカードを選びながら対話した事もありました。


カードを1枚選んで、今日の仕事での心構えにしたり、1日の終わりに振り返ったりもしています。例えば、「小さなサイン」を選んだ時には人の話だけでなく、動き、表情をよく見て話を聞いてみよう、とか。


また、身近な存在だからこそ本音が出せない家族との間でカードを使って、家族との関わり において自分たちが大切にしている思いを共有しました。


カードという第三者的な存在を介する事で、お互いの存在の間に 配慮という豊かな間が生まれたように思います。

問題の解決ではなく、解消のための対話。 討論ではなく、幅広い理解へ。


カードが間に入ってくれることで気づかなかった自分の思いに気付けたり、複数の人との間でことばのイメージの共有が出来、ひとりで抱えていた問題を他の人のことばで新しい理解にしていくことが出来ました。

40代/女性/サービス業

それぞれの思いを表現していく時に共通言語としてカードが存在していることによって、ない時よりも言葉が自然と出てくる。

対話について対話する時や、これから対話の場を作っていく上でどのような場にしていくのかを話し合う時に使う。または、その日をどんな1日にするのか一つの目標としてカードを選んで、そのカードを意識しながら日々を過ごす。
それぞれの思いを表現していく時に共通言語としてカードが存在していることによって、ない時よりも言葉が自然と出てくる。また、一つの支柱となってくれるから場としての緊張感が下がるのを感じる。
人との関わりに悩む全ての人や対話的な場を作っていきたいと願う人にお薦めです。

20代/男性/学生

  • 話していると、相手が怒り出したり泣き出したりすることがあり、困ってしまう。
  • どれだけ話してもどこか話が通じないと感じる人がいる。
  • なぜそうなるのかどうにも理解できない箇所があり、いつも話が繰り返される。

対話のことば<カード>

対話のことばの内容を元に現状を把握したり、複数人で話し合ったりすることに向いています。その場で初めて見る人ばかりでも、感覚的に内容を掴み、話をすることができます。

  • 対話力を高め、起こっている問題を改善していくための30の心得が書かれたカードです。
  • カードはB7(91×128mm)でミーティングなどの場で使いやすい大きさになっています。コーティングがされており、繰り返しの使用が可能です。
  • ケース(9.7×13×1.6cm)と説明書、振り返りワークを促す4枚のワークカードのセットです。
  • 書籍版「対話のことば」(丸善出版)の内容を対話用に抜粋したものです。複数人で対話について考えていく用途に適しています。

収録パターン

  • 【対話のことば】

    体験している世界 / 多様な声 / 新たな理解

  • 【《体験している世界》を内側から感じる】

    ひとりの人として/ じっくり聴く / そのままの言葉 /
    開かれた質問 / 言葉にする時間 / 語りへの応答 /
    内側から捉える / 感情の通路 / これまでへの敬意

  • 【《多様な声》が生じる場にする 】

    関係する人 / 対話の支援チーム / 輪になる /
    全員の発言 / ゆったりとしたペース / 応答の連鎖 /
    小さなサイン / 気持ちの共鳴 / リフレクティング・トーク

  • 【《新たな理解》を一緒に生み出す】

    発生時の立ち上げ / 連続的な実施/ 一貫した関わり /
    それぞれの認識 / 混沌とした状態 / 意味の変容 /
    一緒に見出す / 広がりのある文脈 / 未来への仲間

『対話のことば:オープンダイアローグに学ぶ問題解消のための対話の心得』(井庭 崇, 長井 雅史著)

一つ一つのことば(カード)について、詳しく書かれていて、「対話のことば(問題解消のための対話の心得)」について一人でじっくりと読み込み、理解を深めることに向いています。

よくある質問

Q.「オープンダイアローグってなに?」

1980年代にフィンランドのユヴァスキュラ大学、ヤーコ・セイックラ教授らが中心となって開発した精神疾患に対する治療方法の名前です。オープンダイアローグの特徴は、入院や投薬などによって症状に対処しようとするアプローチとは異なり、「対話」を中心としたミーティングを重ねることによって、過去の記憶やその人の根本にある問題を融解させ、周囲の人と共有できる新たな理解を生むことで、精神疾患の治癒をもたらすという点にあり、フィンランドでは、その成果の信頼性から公的医療サービスに組み込まれています。

「対話のことば」では、オープンダイアローグを紹介しているわけではありませんが、オープンダイアローグで行われている対話の本質を抽出し、精神疾患の治療以外のシーンにおいても参考にできるように記述しています。

Q.「自分にも使えるのかな?」

「対話によって分かり合う」ということに興味のある方であれば、自分にあったヒントを見つけることができるでしょう。「もっと人に寄り添えるような聴き手になりたい」「ある人のことをもっと理解したい」「関係を改善したい人がいる」など、人との関係に悩みや願いがある方は、ぜひカードを手に取ってみてください。

カードに書いてある「問題」(起こってしまいがちなこと)に心当たりがあれば、そのカードの考え方や行動を実行してみるとよいでしょう。マニュアルのようにどうすれば良いかを具体的に示しているわけではないため、行動に移しにくいと感じることもあるかもしれません。ですが、それはみなさんの状況や性格に合わせて具体的な行動を考えていけるように、あえて抽象的に書いているのです。そんな時は、周りの人に「このカードに書いてあることを、やったことある?どんなふうにしているの?」などと聞いてみてください。身近に実践している人が見つかると思いますので、まずはその人のやり方を参考にすると、自分ならどうできるかを考えてみやすくなります。また、書籍版「対話のことば」では、「例えばこんなふうにすることができる」という例を紹介しています。一人で考えたい場合は、書籍も参考にしてみてください。

カードには「ワークカード」が付いていて、「実践している」「していない」などを自分で分類しながら、取り入れたいものを探すこともできます。30のコツ(カード)を扱いやすくなるので、ワークカードの使用もおススメです。

Q.「家庭や会社などでの効果的な使い方はありますか」

対話は複数人で行うものですので、相手が同じように対話のコツを理解していれば、その対話はよりスムーズになります。対話のことばカードを1枚ずつ読みながら、自分たちがそのカードにある考え方ができているかどうかを話し合い、ワークカード(実践している・していない)を使いながら分類してみてください。すべて終わったら、今は実践していないカードの中から、今後の自分たちに取り入れたいものを1~2枚選び(「取り入れたい」というワークカードを使ってカードを動かしながらみんなで考えます)、共通の目標とします。このプロセスをチーム(家庭・会社など)で行うことで、対話に関する知識を得ながら、自分たちの現状を理解し、自分たちで次のステップを見つけることができます。

対話は人によって個性のあるものなので、皆で同じことに取り組むのではなく、個々人で1枚の目標を持つのも良いでしょう。また「〇〇さんはこれができるともっと良いのではないか」とリクエストする形で、身近な人が選んであげるのもよいかもしれません。

「対話」によって相手の世界を理解することは、表面的に言葉を交わす「会話」とは違う行為。

社会はコミュニケーションでできている。そのように社会を捉える人は少なくありません。
「対話」によって相手の世界を理解することは、表面的に言葉を交わす「会話」とは違う行為。その「対話」のコツを持つ人が増えることは、個人の関係、組織内部の関係、そして社会全体の関係を高めることにつながっていくでしょう。違った価値観を持ったもの同士が容易に出会い、協同してゆくことが求められる昨今において、衝突を避け、相互理解を生みだすために、対話はますます重要なものとなっていきそうです。

対話の力を身につけることで、「あの人は」「あの部署は」「あの会社は」「あの組織は」「あの国は」…なぜそうなってしまうのだろう。そんな疑問を解消する糸口が見つかるはずです。自分と違う価値観を「分からない」「普通じゃない」と捉えず、対話によって紐解きながら、みなさんの周りの関係を少しずつ快適なものにしていってください。その先には、多様性が共存し、活躍する組織・社会が見えてくることでしょう。

対話のことば<カード>

対話のことばの内容を元に現状を把握したり、複数人で話し合ったりすることに向いています。その場で初めて見る人ばかりでも、感覚的に内容を掴み、話をすることができます。

  • 対話力を高め、起こっている問題を改善していくための30の心得が書かれたカードです。
  • カードはB7(91×128mm)でミーティングなどの場で使いやすい大きさになっています。コーティングがされており、繰り返しの使用が可能です。
  • ケース(9.7×13×1.6cm)と説明書、振り返りワークを促す4枚のワークカードのセットです。
  • 書籍版「対話のことば」(丸善出版)の内容を対話用に抜粋したものです。複数人で対話について考えていく用途に適しています。

『対話のことば:オープンダイアローグに学ぶ問題解消のための対話の心得』(井庭 崇, 長井 雅史著)

一つ一つのことば(カード)について、詳しく書かれていて、「対話のことば(問題解消のための対話の心得)」について一人でじっくりと読み込み、理解を深めることに向いています。