- 伝えるべきことがたくさんあって、情報が選べない。
- プレゼンをつくっているうちに、話が混乱してきてしまう。
- プレゼン上手になりたいが、改善点が分からない。
プレゼンテーションの目的を、「情報を伝える」とするのではなく「未来に向けた創造が起こる」ことに置くのが「創造的プレゼンテーション」の考え方です。このプレゼンテーション・パターン(通称プレパタ)では、そのような「創造的プレゼンテーション」をするためのコツが34の言葉でまとめられています。
34個のコツは、考え方のコアとなる《創造的プレゼンテーション》など数個の中心パターンに加え、「内容・表現」「魅せ方」「振る舞い」の3つのカテゴリーごとに分けて示されており、必要なもの、気に入ったものから取り入れていくことができるようになっています(取り入れるというのは、実際には、カードの考え方を自分のプレゼンにあてはめるとどのように工夫できるかを考え、変えてみるということです)。
創造的プレゼンテーターとしての生き方を考えるような奥深いものもありますが、すぐに実践に取り入れられるものも多く、いろいろなレベルの方が自分のプレゼンテーションを客観視し、活用できるようになっています。実際、プレゼンテーションコンサルティングサービスの中で教科書として指定される一方で、高校生同士がグループでプレゼンテーションを改善していく際にも使われているなど、とても幅広いレベル・年齢層で活用されてきています。
プレゼンテーションは「伝える」のではなく「相手の心を動かす」ために。
プレパタは、特に学校現場で使われることが多いパターン・ランゲージのひとつです。近年、高校・大学などでは(小・中学校でもそうなのですが)、プレゼンテーションをする力が重視されてきていますが、プレゼンテーション力というのは、つかみどころもなく教科書もないため、適切に伝えることがなかなか難しいということが背景にあるのでしょう。指導者となる先生自身も、教科のプロではあるものの、プレゼンについてはさほど詳しくないこともあります。そういった場合は、できたプレゼンを部分的に修正指示することはできても、その理由までをきちんと伝え再現可能な力として指導していくのは簡単ではありません。
そのような悩みに対して、プレパタは伝達すべきポイントを定めてくれ、できている点も改善すべき点も、カードから選んで提示することできるという利点があります。また、具体的な修正の仕方は、子どもの個性や意思をいかしていくことができ、さらにこれら一連のことを生徒同士でも行うことが可能な点も、学校で使用しやすい理由となっています。
プレパタは、小学校・中学校・高校・大学・社会人・経営者…と幅広い層で使われています。
「人の心を動かす伝え方」を考えてみたい方は、ぜひお手に取ってみてください。
*学校での使用例は、「よくある質問」にて詳しくお答えしております。
*小学生用の使用例はこちらでご覧ください。
プレゼンに特化したスキルも向上してもらいたいと考え、プレゼンテーションパターンを使い始めました。
私が主宰するゼミで、プレゼンテーションパターンを活用しています。毎回チームで取り組む課題を設定し、その考えた結果をプレゼンしてもらっているのですが、プレゼンに特化したスキルも向上してもらいたいと考え、プレゼンテーションパターンを使い始めました。
(かなり恥ずかしいのですが、)自分がプレゼンしている動画などを見てもらい、そのプレゼンに対して、カードを使って分析をしてもらいます。
各チームからそのフィードバックを貰うのもとても嬉しいのですが、カードを使って分析することはチームビルディングにも寄与しています。プレゼンという視点で話し合う経験というのはあまりなく、これらのカードがあることによって、1枚1枚それぞれに対してあーだこーだ議論することができるからです。
その後、自分たちでプレゼンするときに大切にしたいことを選んでもらいます。どういうプレゼンがしたいか、チーム内で具体的な目標を持つことができ、その実践に向けてそれぞれが奮闘している姿勢が見え、とても手応えを感じています。
40代/男性/自営
- 人前でもスラスラと話すことはできるようになったが、なかなか相手の反応を引き出せない。
- プレゼンの指導をしたいが、どのようにしたらよいかが分からない。
プレゼンテーション・パターン<カード>
34個のコツが1枚1枚のカードに分かれた、対話や分析などを目的としたツールです。カードを分類しながら現状を把握したり、同じカードを見ながら複数人で話し合ったりする時には、このカードを使います。
- プレゼンテーション・パターンを活用するためのカード・セット。
- パターン・カード34枚、インストラクション・カード8枚、ワーク・カード6枚を含む計50枚のセット。
- カードはコーティング加工がなされているため、ワークショップ等での繰り返し使用に適しています。
- カードは63mm × 88mm (トレーディングカードのスタンダードサイズ)で、透明プラスチックケース付き。
- パターン内容は書籍『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』(井庭 崇 + 井庭研究室, 慶應義塾大学出版会, 2013: 2013年度グッドデザイン賞受賞)に準拠。
収録パターン
-
【Core】
創造的プレゼンテーション /
メインメッセージ / 心に響くプレゼント / 成功のイメージ -
【Expression】
ストーリーテリング / ことば探し / 図のチカラ /
メリハリ / 驚きの展開 / はてなの扉 /
ぶんび両道 / 適切な情報量 / 魅力のちょい足し -
【Attraction 】
イメージの架け橋 / リアリティの演出 / 参加の場づくり /
細部へのこだわり / 表現のいいとこどり / 不快感の撲滅 /
スキマをつくる / きっかけスイッチ / テイクホームギフト -
【Performance】
場の仕上げ / 成功のリマインド / 自信感の構築 /
キャスト魂 / 最善努力 / ひとりひとりに /
世界への導き / 即興のデザイン / 終わりが始まり -
【Extreme】
独自性の追求 / 魅せ方の美学/ 生き方の創造
プレゼンテーション・パターン<ブックレット&カードセット>
カードと、1つ1つのパターンの内容が少し詳しく書かれた冊子のセットです。カードにはない情報として、「なぜそのような問題が起こってしまうのか」「具体的にはどのようにしたらよいかの例示」「このコツができれば、どのようなことが起こるのか」「関連する名言」の4つの要素が書かれており、より詳しく内容を理解できます。カードだけでは具体的な実践例が思いつかない場合や、内容がピンと来ない場合に、該当ページを参照すると、ひとりでも理解を深めていくことができます。
【英語版】Presentation Pattern Cards<カード>
【英語版】Presentation Patterns: A Pattern Language for Creative Presentations (By Takashi Iba with Iba Laboratory) <書籍>
『プレゼンテーション・ パターン:創造を誘発する表現のヒント』(井庭 崇 + 井庭研究室, 慶應義塾⼤学出版会, 2013)
一つひとつのパターンの内容を分かりやすく解説しており、読み物として読みながらプレパタの内容を理解していくことができます。
よくある質問
- Q.高校でプレゼンテーションを考える時にはどのように使うのですか?
-
高校での使用ケースとしては、主に3つの使い方があります。「読み解く」「つくる」「フィードバックしあう」です。(どれも中学校でも大学でも同じように実施できます)
「読み解く」ワークは、「上手なプレゼンで使われているコツをカードで読み解く(その中で、好きなコツを自分のプレゼンでマネしてみる)」という15分程度からできるグループワークです。4~5人のグループに1つのカードセットを渡し、まず、魅力的なプレゼンテーションを選んで視聴します(TEDなどが便利です)。2度目は、どのような工夫がされているかを意識して見てもらった後、プレパタカードを使い、そのプレゼンに含まれていたコツを拾い出します。「あの時にあのように言ったのは、《きっかけスイッチ》だと思う」「会場が笑ったのに反応したのは《参加の場づくり》では」など、話し合いながらコツとアクションを結び付けることで、コツを具体化してイメージできる経験となります。また、ものすごい事例であっても、遠く手の届かないものではなく、自分たちもできるような工夫の積み重ねであることも学びます。クロージングは、読み解いたものをグループごとに発表してもらったり、自分のプレゼンに入れ込みたい工夫をひとつ選んだり、つくりたい学びに応じて自由に設計します。
プレゼンを「つくる」際に使う場合は、プレパタカードの中から自分が大切にしたいと思うものを何枚か選んで、プレゼンの構成段階で、それらのコツを意識しながらつくっていくようにする、というものです。どのカードを「大切にしたい」とするかは、個人で選んでも、先生が選んでも、グループで決めてもよいでしょう。大切にしたいことがはっきりした共通認識になっていると、指導や評価もしやすくなり、力としても残りやすくなります。
「フィードバック」は、先生や先輩という指導者からの場合もありますが、高校生同士(同じレベルの人同士)で可能になるというのも大きな点です。誰かのプレゼンに対し、「このカードが上手に入っていた。このカードができると、もっといいのではないか」とカードを媒介として感想、改善点を出し合います。これにより、プレゼンに長けた人でなくても改善点を伝えられ、またそれが個人の思い込みや好みによるものではなくなるという利点があります。また、改善案(具体的な直し方)がなくてもよく、ポイントの指摘とその方向性を提示するのみとなり、改善案は本人の好きに決めていけるという点も、教育という文脈で使いやすい理由です。また、カードを介することで、言いにくさや受け入れにくさを感じにくいのも友達同士でのワークを機能しやすくしていると思われます。プレゼンを良くするという指導を先生一人が全員に行うのは大変ですので、生徒同士のグループで効果的な話し合いができるツールという点で、生徒さん学生さんのプレゼン力を高めるためのスキームとして使っていただけているのではないかと思います。
- Q.効果がすぐに分かるような、もっとも簡単な使い方を教えてください。
-
周囲にプレパタを伝えたい、社内でどう使うかを考えるために小さなワークをしたいというお話をよくお聞きします。その文脈でお答えするとしたら、プレパタであれば、「自己紹介の改善」がおススメです。
まず、プレゼンテーターが1~3分で自己紹介をしてみてください。聞いていた方は、その自己紹介がより良くなるためのカード(つまり、あまりできていなかったもの)を、プレゼンテーターに渡しましょう。オーディエンスの人数によりますが、3~4人程度なら34枚のカードを山分けして持っておき、手持ちの中から1枚か2枚を選び出すようにするとスピーディです。
提示されたカードを取り入れての改善案は、プレゼンテーターが一人で考えても、みんなでワイワイと案出ししても、どちらでもよいでしょう。
まとまったら、再度プレゼンテーターが改善した自己紹介をします。どのくらい変わったでしょうか?プレパタカードがなければ、そのように変わったでしょうか?プレパタカードがなければ、同じ時間内で何を話していたと思いますか?それらをみんなで話してみてください。
全員がプレゼンテーターを持ちまわる必要はなく、プレゼンテーター、オーディエンスそれぞれの立場でプレパタカードを使った感想を出し合うだけでも、自分たちにとってプレパタがどのような意味があるかを感じることができます。
その後、自分たちの活動に活かすとしたらどう使えるだろうか?あの業務フローでプレパタカードを使ったらこんなふうになるのではないか?と、自分の活動(業務)とプレパタを結び付けてみると、導入の可否、何セット使うべきなのか…など、様々な判断がしやすくなるのではないかと思います。
- Q.小学生版(子ども用)というのは何ですか?
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井庭が「朝日小学生新聞」にて「いば先生のわくわくプレゼン教室」として連載したときの内容をアレンジしたもののことです。
プレパタの34個のうち、6個が小学生にも分かるような言葉で書かれており、その後、いくつかの機会でカードや読み物の形式で使われています。これらのカードを渡すことで、小学生たちが自分たちで話し合いを始めたというケースを何度かお聞きしています。
ダウンロード可能な資料としてコチラに置いておりますので、ご興味のある方はご覧ください。
- Q.書籍とブックレットとカードの内容はどのように違うのですか?
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どれも、収録しているパターンの内容・個数は同じですが、表記の仕方(用途)が異なります。
書籍としての「プレゼンテーション・パターン」は、慶應義塾大学出版会から出版されており、一般の書店でも買うことができるものです。公的な図書館や学校の図書室でもそろえていただいている場合もあります。ひとつのパターンの内容を読み物として紹介しており、いわゆる「読書」に近い形で内容に触れることができます。つまり、読んでいけばパターンの内容を深く理解することができます。
弊社から販売している「ブックレット&カードセット」に含まれているブックレットは、見開き1ページに、1パターンの内容がまとめられており、書籍に比べると文字の量が少なくなっています。説明的な読み物ではなく、パターン・ランゲージを記述するフォーマットで書かれていますので、その要素(パターンやパターンの要素)の必然性は読み取りやすいですが、自分で考えながら理解していく必要があります(難解なものではありません)。情報量としては書籍とカードの間に位置づくもので、弊社ではカードの情報を補足するものとしてセットでの販売をしています。
カードは、主にはワークショップで使うもので、複数人で対話する際のツールとしてや、内容を直感的にコツを扱うことを目的としています。情報量をできるだけ減らし、その場で理解したり、直感的に動かしたりすることに適しています。細かな内容は書いていませんので、カードだけではピンと来ない場合などもあるかもしれません。その場合は、対話によってみんなで理解をしたり、またセットになっている冊子の該当ページを参照して理解を深めたりしていただければと思います。
- Q.生徒に冊子を配るためにまとめて購入したいのですが。
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冊子のみのご購入に関しては、こちらにてご連絡ください。なお、本サイトでダウンロードできるサンプルにつきましては、自由にご使用いただけます。
創造的プレゼンテーションの力は、クリエイティビティを現実に移していくための必須の力です。
あらゆる分野・領域でイノベーションが求められている現在、自分の考えや新しいアイデアについてプレゼンテーションすることが、ますます重要になっています。そこで求められているプレゼンテーションというのは、単なる「伝達」ではなく、そのこと自体が新しい「創造」であるような「創造的プレゼンテーション(Creative Presentation)」です。創造的プレゼンテーションは、聴き手が自身の経験・知識を混ぜ合わせた新しい認識や発見をつくることを誘発し、次なる行動を生み出すことを支援し、未来をつくり出すものです。
イノベーティブなアイデアが生まれたとしても、それが他の人の心を動かし、行動をつくっていかなければ、何も動いていきません。これからの時代において、創造的プレゼンテーションの力は、クリエイティビティを現実に移していくための必須の力なのです。
日本はとても魅力的だし、よい製品やコンテンツをつくっているけれど、それがなぜなのか、また結局どういった国なのかが分からないという声を聞くことは多くあります。おそらく私たちは、プレゼンテーションが得意な国ではありません。奥ゆかしさや雰囲気で伝える繊細な文化、自己アピールや説明をあまり必要としない仕組みになっているといった背景も多分にあり、それは必ずしも悪いことばかりではありませんが、国際社会においては、今一度見直す必要があるのではないでしょうか。
一人ひとりが相手と創発しあうようなプレゼンテーションができれば、よりコラボレーティブに、いろいろなセクターで融合的に問題を解決したり、協業したりすることができるようになります。また、それをきちんと発信できることは、アイデア豊富で協働性をもった国民性を、より国際社会の中で活かすこともできるでしょう。
伝えずに分かってもらう、控えめに情報を伝えるという考えを超えて、創造したものを創造的なプレゼンテーションで発信していけるようになると、どんな変化が生まれるか。
プレパタで自分の発信力を変えていきながら、みなさんで一緒に考えていきませんか?
プレゼンテーション・パターン<カード>
34個のコツが1枚1枚のカードに分かれた、対話や分析などを目的としたツールです。カードを分類しながら現状を把握したり、同じカードを見ながら複数人で話し合ったりする時には、このカードを使います。
- プレゼンテーション・パターンを活用するためのカード・セット。
- パターン・カード34枚、インストラクション・カード8枚、ワーク・カード6枚を含む計50枚のセット。
- カードはコーティング加工がなされているため、ワークショップ等での繰り返し使用に適しています。
- カードは63mm × 88mm (トレーディングカードのスタンダードサイズ)で、透明プラスチックケース付き。
- パターン内容は書籍『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』(井庭 崇 + 井庭研究室, 慶應義塾大学出版会, 2013: 2013年度グッドデザイン賞受賞)に準拠。
プレゼンテーション・パターン<ブックレット&カードセット>
カードと、1つ1つのパターンの内容が少し詳しく書かれた冊子のセットです。カードにはない情報として、「なぜそのような問題が起こってしまうのか」「具体的にはどのようにしたらよいかの例示」「このコツができれば、どのようなことが起こるのか」「関連する名言」の4つの要素が書かれており、より詳しく内容を理解できます。カードだけでは具体的な実践例が思いつかない場合や、内容がピンと来ない場合に、該当ページを参照すると、ひとりでも理解を深めていくことができます。
【英語版】Presentation Pattern Cards<カード>
【英語版】Presentation Patterns: A Pattern Language for Creative Presentations (By Takashi Iba with Iba Laboratory) <書籍>
『プレゼンテーション・ パターン:創造を誘発する表現のヒント』(井庭 崇 + 井庭研究室, 慶應義塾⼤学出版会, 2013)
一つひとつのパターンの内容を分かりやすく解説しており、読み物として読みながらプレパタの内容を理解していくことができます。
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