一人では決してできない成果にたどりつく。創造的コラボレーション34のコツ。

一人では決してできない成果にたどりつく。創造的コラボレーション34のコツ。

  • チームで何かしようとしても、それぞれの強みやスキルを足し合わせるだけで、分業のようになってしまいがちである。
  • コラボレーションの仕方を工夫しているつもりだが、予想されたような成果しか生まれない。
  • いろいろなところから寄せ集めたからか、チームに一体感がなくバラバラになってしまう。

誰かと何かを一緒にやるというとき、それぞれの力を足し合わせるのではなく、ひとり一人が集まっただけでは到達できない成果を生み出すよう、コラボレーションをデザインする。そのような視点や方法を34個の言葉でまとめたものがコラボレーション・パターン(通称コラパタ)です。「創造的コラボレーション」と呼ぶそのような活動は、メンバーが互いに高め合いながら成長し、個人には還元できないチームレベルの創発的な勢いに乗りながら、これまでの世界を変えるような成果を生み出していくことを目指していきます。

コラボレーションは価値を生み出していく上でとても重要なスキルとなっていきます。

34個のコツは、考え方のコアとなる《創造的コラボレーション》など数個の中心パターンに加え、「チーム」「創造」「成果」の3つのカテゴリーごとに分けて示されており、必要なもの、気に入ったものから取り入れていくことができるようになっています(取り入れるというのは、実際には、カードの考え方を自分たちのコラボレーションにあてはめるとどのように工夫できるかを考え、変えてみるということとなります)。

すぐに実践に取り入れられるものも多く、いろいろな年代やいろいろな現場の方がコラボレーションを客観視し、活用していけるようになっています。いつものチームで一緒に考えることも、自分ひとりでもOKです。企業研修の中や、実務現場のチームビルディングにおいてもよく使われるなど、ビジネス現場での使用も多い一方、学校で友達と力を合わせる活動を考えていくためのツールとして使われているなど、幅広く活用されていますが、どのような現場でも似たような使われ方をする傾向があり、定番の使用方法で安定して成果を出しやすいパターン・ランゲージのひとつだと言えます。

求められるものが複雑になり、既存の枠組みを壊しながら作り直していくことが要される中、コラボレーションは価値を生み出していく上でとても重要なスキルとなっていきます。

コラボレーションについて考えてみたい方は、ぜひお手に取ってみていただき、自分たちのおラボレーションの在り方をより良いものにしていくために、使ってみてください。

経営層やマネジメント層に、普段はなかなか聞けない本音を聴くことができた気がします。

会社の若手リーダーにチームでプロジェクトを進めて行く上でのコツを引き出すために使っています。紹介したところ、これはチームで共有したいと、チーム内に展開してくれました。リーダーたちが所属をまたがり、お互いのコツや工夫を共有してくれるような仕組みづくりを検討中です。また、経営層やマネジメント層に、これまでの経験や大切にしたいことをこのカードを元に語っていただいたところ、普段はなかなか聞けない経営層の本音を聴くことができた気がします。

まずは過去の経験から、これを大切にしたからうまくいった、逆にこれを意識していなかったから失敗したと思うカードを選んでもらい、話してもらったところ、具体的なエピソードを聴くことができました。さらに現在モヤモヤしていることと、そのモヤモヤを解決してくれそうなカードを選んでもらうことで、なぜそう思うかの本音を聴き出すことができました。

カードについて「いいツールである。道具(目に見えるカタチ、手に取って使える)があるのはよい。」とお墨付きをもらえました。

仕事でもプライベートでも、誰かと一緒に何かをする人にお薦めしたいです。

40代/女性/情報処理サービス業

部署での研修ツールとして活用しております。

自分より部署での経験が浅いメンバーに対してでも、直接的に指導することは憚られるため、カードの力を借りて気付きを促しております。

部署のリーダーにお薦めしたいです。

40代/男性/教育

組織開発ミッションを持った人事、マネージャーにお薦めしたいです。

会社のチームのチームビルディングに活用しています。チーム力を図るサーベイツールで点数の低かったチーム。そのチームは個々人が結果にコミットしすぎるがあまり、ソロプレイが多くなりやすいチームでした。結果重視であるので、目的以外のことに時間をさきたくない様子。もちろんチームビルディング研修へのコミットも低い状態でした。

サーベイの共有をおえ、振り返りの言葉もぽつりぽつりとしかありません。そこでコラボレーションカードが役に立ちました!コラボレーションカードを実践度に応じて仕分けする作業をチームで行うことによって、自然と対話が生まれ、行動計画も湧き上がってきました!

キャッチーなパターン名を読み上げながら、時には笑顔も生まれ、結果重視のメンバーが好きなツボをついたアクションと自然と繋がりが生まれる時間でした。

組織開発ミッションを持った人事、マネージャーにお薦めしたいです。

30代/男性/人材サービス業

  • せっかくチームを組んで新しいプロジェクトにしてみたが、終わった後も各人に成長が見られなかった。
  • 動く人と動かない人の差が大きく、協業することにストレスの伴うチームになってしまう。
  • 良いアイデアが生まれず、妥協を重ねるような感覚が生まれてしまう。

コラボレーション・パターン<カード>

34個のコツが1枚1枚のカードに分かれた、対話や分析などを目的としたツールです。カードを分類しながら現状を把握したり、同じカードを見ながら複数人で話し合ったりする時には、このカードを使います。

  • コラボレーション・パターンを活用するためのカード・セット。
  • パターン・カード34枚、インストラクション・カード8枚、ワーク・カード6枚を含む計50枚のセット。
  • カードはコーティング加工がなされているため、ワークショップ等での繰り返し使用に適しています。
  • カードは63mm × 88mm (トレーディングカードのスタンダードサイズ)で、透明プラスチックケース付き。

収録パターン

  • 【Core】

    創造的コラボレーション

  • 【Ultimate】

    未来への使命感 / つくり方をつくる / 伝説をつくる

  • 【Good Team】

    成長のスパイラル /
    共感のチームづくり / レスポンス・ラリー / 一体感をつくる /
    貢献の領域 / 成長のリターン / 自発的なコミットメント /
    ゆるやかなつながり / 弱さの共有 / 感謝のことば

  • 【Creation Process】

    創発的な勢い /
    まとまった時間 / 創造の場づくり / 活動の足あと /
    意味のある混沌 / アイデアをカタチに / インサイド・イノベーター /
    ゴールへの道のり / 臨機応変な動き / 飛躍のための仕込み

  • 【Creative Performance】

    世界を変える力 /
    クオリティ・ライン / こだわり合う / 一度こわす /
    期待を超える / ファンをつくる / 広がりの戦略 /
    世界の文脈 / つくり続ける強さ / 感性を磨く

コラボレーション・パターン<ブックレット&カードセット>

カードと、1つ1つのパターンの内容が少し詳しく書かれた冊子のセットです。カードにはない情報として、「なぜそのような問題が起こってしまうのか」「具体的にはどのようにしたらよいかの例示」「このコツができれば、どのようなことが起こるのか」「関連する名言」の4つの要素が書かれており、より詳しく内容を理解できます。カードだけでは具体的な実践例が思いつかない場合や、内容がピンと来ない場合に、該当ページを参照すると、ひとりでも理解を深めていくことができます。

【英語版】Collaboration Pattern Cards<カード>

【英語版】Collaboration Patterns: A Pattern Language for Creative Collaborations (By Takashi Iba with Iba Laboratory)<書籍>

よくある質問

Q.会社で組織力をあげて行くための定番の使い方を教えてください。

普段一緒に働いているチーム内で、コラボレーションについて考えたり力を高めたりしたいときには、「実践レベルカード」の使用がおススメです。

各パターンカード(絵が描いてあるもの)34枚を見ながら、自分たちがそれをしているのかを話し、「実践している」「少し実践している」「実践していない」の3枚のカードの周りに置いていきます。自分たちが当てはまるかどうかが分からない場合は、ブックレットを読むと、補足情報があるため考えやすくなります。

すべて分け終わったら、時間があれば、自分たちの状態を可視化するレーダーチャートをつくってみましょう。当サイトのサポートツールダウンロードのページにエクセルファイルが置いてあります。「パターン経験のデータ入力用」シートを使うとチャートは自動生成されます。印刷&手書き用のシートもあります。34個のパターンは、3パターンずつで緩やかなグルーピングがされていますし、また9個ごとに大カテゴリーで分かれていますので、チャートをつくると、自分たちの傾向を見ることができます。

今後に向けて改善していきたい場合には、ここまでをベースにして、みんなで目標を決めていきます。まず「少し実践している」「実践していない」に分けたものの中から、自分たちに必要だと思うものを「取り入れたい」カードに寄せていきます。寄せるときは、数の制限はありません。その後、「取り入れたい」に寄せたものから、当面の目標とするものを話し合って決めてください。自分たちに必要なものはどれなのか、いくつを目標として設定するかも、チームで話し合うとよいでしょう(あまりたくさんを掲げることはお勧めしません)。

目標とするカードが決まったら、そのカードの内容を自分たちのチームの状況にあてはめ、明日からでもできそうな具体的な行動をいくつか考えてみます。そして、みんなで意識してやってみましょう。

例えば《レスポンス・ラリー》だとすると、「誰かが報告のメールを出したら、心の中で反応するだけじゃなく、一言でも良いので何かを書いたり、声をかけたりしよう」等とすることができます。実際、「おつかれさま!」「速いね!」「了解しました。私は〇日に終わらせます」など短く返すだけで良いでしょう。

日々、意識しながら働いていると、新しい《レスポンス・ラリー》の実践が生まれてきたりもします。また、『昨日は、レスポンス・ラリー忘れちゃった』など会話でも意識して使ってみるのも良いです。定期的に、自分たちがそのカードを実践できているか、どんな実践方法が生まれたかなどを振り返ると、《レスポンス・ラリー》から何が生まれたか、どんな《レスポンス・ラリー》が自分たちにとって良いのかについての知見が高まっていきます。このように振り返って認識を重ねていけば、そのチームのコラボレーションが高まるだけではなく、各メンバーのコラボレーション力も確かなものになっていきますので、このチームのメンバーが別のチームに移ったとしても、《レスポンス・ラリー》を起こしていく中心人物となることができるでしょう。そのような積み重ねで、個人と組織の創造的コラボレーション力を高めていくことができます。

組織のコラボレーション力向上において、コラパタカードを使う利点はいくつかあります。

「自分たちの現状を、建設的に話し合いながら認識できること」「カードを選ぶという行為で、次の目標を決められること」「それらがチームメンバーの合意で決まること」「選んだ時点でチームメンバーがその必要性を自分事として理解していること」「自分たちらしい実践を話しながらつくっていけること」「具体的な行動と本質を区別して経験を積み重ねていけること」等です。

実は、これはコラパタに限ったことではなく、他のパターン・ランゲージを組織で使う際にも同じなのですが、コラパタが最も分かりやすい例なのではないでしょうか。

パターン・ランゲージを使った組織力向上は、漢方薬のようなものです。即効性がある部分もありますが、長い目で使うことで自分たちらしさを元に創造的コラボレーション力を積み重ねていくことができます。それぞれが成長し、そして人の掛け合わせ、業務の掛け合わせがされていくことによって、コラボレーションによる相乗効果を生み出すことができるようになっていくでしょう。

Q.チームビルディング、研修などでの使い方は?

カードを選んでコラボレーションについて話し合うというのが基本のスタイルです。「自分が得意なもの」「これからやってみたいもの」「これができなくて失敗した経験」「これができたからうまくいった経験」「好きなコラボレーション」「これがなぜ必要かが分からないカード」など、話し合うテーマ(カードを選ぶ基準)は、場の目的に応じて決めてください。

各人が話した経験や考えに対し、同じグループ内で意見を重ねたり、質問をして詳しく経験をシェアしたりして、そのカードについて話を膨らませ、みんなで理解をしていきます。

カードの使い方としては、カルタのように机上に全部並べて、話したいものを一人一枚選んでも良いですし、34枚をトランプのようにランダムに配り、手に渡った数枚のカードの中から話せるものを選ぶのも良いです。対話のグループは4~5人がおすすめです。経験の多様性もあり、黙ってしまうメンバーも出にくく、活発な議論が生まれやすいためです。

Q.学校ではどのように使っていますか?

プロジェクト的な活動を振り返ったり、より良くしていくための話し合いのツールとして活用されています。生徒たちにカードセットを渡し、自分たちに必要だと思うものを選んでもらうことで、生徒は自分たちなりに実践を変えていくことができています。学校では(コラパタに限らず)、先生がやり方を教えるのではなく、カードセットを渡して自分たちで話し合ってもらい、自分たちで改善していってもらうというのが基本的なスタイルになるようです。

子どもたちがどれを選んでも次のステップとして正解であること(自己肯定感が生まれること)、やりたいと思うカードを選ぶだけでその子らしい一歩が進むこと(個性の延長にある成長)などが学校教育との相性の良さではないかと思います。うまくなりたい、という気持ちがあれば、やり方さえ分かればどんどん変わっていくことができます。そのため、子どもに対しては、うまくなりたいという気持ちを盛り上げることが大切かもしれません。

一例としては、以下で中学での使用例をご覧いただけます。
【パターン・ランゲージ活用事例Vol.6】宝仙学園中学・高等学校理数インター 伊藤大輔・米澤貴史・藤井証高先生「生きる力」学校教育への活用事例—パターン・ランゲージの授業への活用
*記事は2016年のものですが、その後、活用は継続されています。

Q.生徒に冊子を配るためにまとめて購入したいのですが。

冊子のみのご購入に関しては、こちらにてご連絡ください。なお、本サイトでダウンロードできるサンプルにつきましては、自由にご使用いただけます。

個々人が多様性をもち、そして掛け合わせるスキルを持つことで、これからの困難な時代を切り拓いていくことができるのです。

決まった仕事を進めていくことや、既存の価値を繰り返し生産していくことでは立ち行かなくなってきた現在、これから新しい価値を作り出していく土台は「コラボレーション」だと言われています。イノベーションも、いろいろな視点を持った人たちが力を掛け合わせ、これまでにはない議論をしていくことから生まれていくことが多いとすると、多様な人たちがともに力を合わせていくことが如何に大切なことかが見えてきます。

また、少子高齢化や国際化の流れにおいて、戦後の日本を支えてきた仕組みでは、今後の社会を支えきれないことも明白です。様々な人たちに影響するこれらの社会的仕組みを変えていくためには、やはりコラボレーションの力が必要でしょう。

社会がそのような状況ですから、これからの社会で生きる子どもたちにもコラボレーション力が必要となることは間違いありません。個々が多様な学びをし、多様な経験をし、それらを掛け合わせるスキルを持つことで、これからの困難な時代を切り拓いていくことができるのです。

私たちクリエイティブシフトは、現状の課題を直接変えていくことももちろんですが、子どもたちが今後必要な力をつけられるように教育を変えていくことも今の大人たちが必ずせねばならないことだと考え、本作の普及に取り組んでいます。

「コラボレーション・パターン」「プレゼンテーション・パターン」「ラーニング・パターン」は、「創造力」をもつことが未来に必要だと考えつくられた3部作です。学びに本作を取り入れることを考えてみたいという方は、ぜひ一度ご相談ください!

コラボレーション・パターン<カード>

34個のコツが1枚1枚のカードに分かれた、対話や分析などを目的としたツールです。カードを分類しながら現状を把握したり、同じカードを見ながら複数人で話し合ったりする時には、このカードを使います。

  • コラボレーション・パターンを活用するためのカード・セット。
  • パターン・カード34枚、インストラクション・カード8枚、ワーク・カード6枚を含む計50枚のセット。
  • カードはコーティング加工がなされているため、ワークショップ等での繰り返し使用に適しています。
  • カードは63mm × 88mm (トレーディングカードのスタンダードサイズ)で、透明プラスチックケース付き。

コラボレーション・パターン<ブックレット&カードセット>

カードと、1つ1つのパターンの内容が少し詳しく書かれた冊子のセットです。カードにはない情報として、「なぜそのような問題が起こってしまうのか」「具体的にはどのようにしたらよいかの例示」「このコツができれば、どのようなことが起こるのか」「関連する名言」の4つの要素が書かれており、より詳しく内容を理解できます。カードだけでは具体的な実践例が思いつかない場合や、内容がピンと来ない場合に、該当ページを参照すると、ひとりでも理解を深めていくことができます。

【英語版】Collaboration Pattern Cards<カード>

【英語版】Collaboration Patterns: A Pattern Language for Creative Collaborations (By Takashi Iba with Iba Laboratory)<書籍>