パターン・ランゲージを企業で活用するための研究会「パターン・ランゲージ3.0研究会」第2期のメンバーが作成した「いきいきした働き方・生き方」のパターン・ランゲージを発表し、それを用いて新しい商品・サービスのアイデアを生み出す発想ワークショップを行いました。
「パターン・ランゲージ3.0研究会」は、2014年から行われている、企業の方々がパターン・ランゲージを活用するための研究会です。2ndシーズンとなる今年は、Creative City Consortiumのプラチナエッグハンティング・セミナーとして月1回、計7回行われ、43社・55名の方が参加しました。今年は、様々な業種・会社から集まった方々が世代ごとでグループに分かれ、パターン・ランゲージとは何かを学びながら、「いきいきした働き方・生き方」のパターン・ランゲージを作成する取り組みを行い、SFCの研究発表の場である「Open Research Forum 2015 (ORF2015)」にて発表の場をもちました。
まずは、研究会の幹事企業である大日本印刷株式会社 池澤努さんより研究会発足の経緯や目的を共有していただきました。「パターン・ランゲージ3.0研究会」は、人々から共感を得られる製品・サービスの開発やイノベーションを生み出せる人材や組織づくりを目指して発足。企業のマーケティング活動や研修・組織開発におけるパターン・ランゲージの活用を目的とし、特に今回は消費者のインサイトやニーズの把握のためのひとつの手法として新商品・サービスの開発に役立てることを意識して活動されてきた、とのことです。
次に、半年間の成果として、作成した「いきいきした働き方・生き方」のパターン・ランゲージを冊子としてお配りし、それを使った発想ワークショップを行いました。パターンの内容を発想の源として、新しいアイデアを考える新しいタイプのワークショップで、パターンに関連するアイデアをふせんを貼って発想を膨らませていきます。普段のブレストでは、アイデアを発散し過ぎてしまいがちで、なかなかひとつのまとまったアイデアに行き着きにくい…ということが起こりやすいものです。この発想ワークショップは、自由に発散的に話しつつ、きちんと収束していくという、最近編み出したばかりの新しい形のワークショップなのです。参加者の方々は、ものの10分で次々にアイデアがまとまっていく様子から、普段のアイデア発想の取り組みとどこか違うことを確認できたようです。
最後に、「パターン・ランゲージをどのように企業で活用していくか」をテーマにディスカッションを行いました。3.0研究会に参加されていた株式会社クレイの吉岡ひろきさんは、「企業の競争力をつけるということは、突き詰めると、個人の経験や能力が根っこにあります。しかしこれらは暗黙知であることが多いので、言語化されることは非常に重要です。」と話していました。井庭研OBの本田卓也さんは、「パターン・ランゲージのつくる過程自体が学びになり、それもひとつの成果だと思います。共通性の発見、組織学習的効果は、井庭研でも、企業でも、どんな世代でも得ることができると感じています。」と語りました。井庭は「パターン・ランゲージを企業で研究し、実装が広がって行くと、日本企業が海外から注目をあびるきっかけになるかもしれません。状況・問題・解決というパターン思考を理論として教えることは難しいことですが、パターン・ランゲージをつくりながらであれば、体得していくことはできるでしょう。今後、ワークショップ等を通し、新しい商品やサービスへの展開について注目していきたいです。」と締めくくりました。
企業でのパターン・ランゲージの作成・活用のお手伝いや、体験ワークショップの実施は、クリエイティブシフトで承っております。ご興味がおありの方は、ぜひご連絡ください。
【イベント詳細】
日時:2015年11月21日
場所:東京ミッドタウン・タワー4F Room 7(ORFセッション)
主催:慶應義塾大学SFC研究所・湘南藤沢学会 慶應義塾大学SFC Open Research Forum 2015
企業におけるパターン・ランゲージ3.0~ビジネス実装へのチャレンジ~
【関連情報】
パターン・ランゲージ3.0研究会2nd Season第1回スライド
クリエイティブシティコンソーシアム公式イベントページ
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