知りたいことを見つけ、解き明かす力をつけよう。

知りたいことを見つけ、解き明かす力をつけよう。

  • 「探究」や「自由研究」のテーマが思いつかない。
  • 自分で決めたテーマなのに、探究活動の途中で飽きてしまうことがある。
  • 何かナゾを解いていくような経験を子どもにさせたいが、うまく指導できない。

掘り下げたい課題を設定し、情報収集や整理・分析などを経て得られた発見をまとめ上げていく「探究」活動。高校では、その中で思考力・判断力・表現力などを高めていくことを目的として新しくカリキュラムに取り入れられることとなり、導入が進んでいます。現在のところ、テーマ設定や進め方は各学校・先生に任されているため、しばらくは教師・生徒の試行錯誤の期間が必要となるのではないかという声も聴かれます。

探究パターンは、そのような試行錯誤の精度やスピードを上げることを目的としてつくられたものです。すでに先進的な探究活動を行い、実績を上げてきた高校の先生・生徒たちにインタビューを行い、その中に共通して見られた行動を、良い探究をするためのヒントとして36の言葉でまとめました。
文部科学省の示す探究の5つのステップ「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・発表」「振り返り」に沿ってコツを示しているため、授業や学外で経験できる探究活動とリンクさせながら使うことができるようになっています。さらに高校でよく行われるグループでの探究活動をする際のコツも収録されています。

快適に生きていくための力にもなり、また困難な社会問題を乗り越えていくのに大切な力でもあります。

探究は、人が元々持っている「学びたい」「知りたい」という気持ちをエネルギーにできる、面白みのある活動です。また、自分で未知の事柄を解き明かしていく力は、分からないことや問題に感じることを解消しながら快適に生きていく力でもあり、困難な社会問題を乗り越えていくのに大切な力でもあります。とはいえ、探究活動には多くの時間が必要となるので、学校の授業の中ではそう何度も取り組む機会はありません。そこで、数少ない活動の中で着実に探究の本質をつかんでいくために、活動設計時や振り返りのタイミングで探究パターンを使ってみてください。本質を意識しながら経験を重ね、良い探究のコツが身についてきたら、日常の中でも小さな探究を数多くしていくことができるようになります。そのような力を自分のものとしていくことは、分からないことに立ち向かう姿勢につながっていくでしょう。

探究パターンは、探究の授業の進め方、導き方、評価のしかたなどにお困りの先生方にも、指導のポイントや適切なアドバイスを見つけていくために使っていただくことができます。また、小学生の自由研究をより意義深いものにしたいと考える保護者の方、自分で研究を進めていく大学生にもおススメで、実際に大学の研究指導においても使われています。

なお、本作品は、クリエイティブシフトとベネッセコーポレーションの共同開発品です。高校の「探究」授業の教材としてベネッセコーポレーションより発売されている「探究ナビ」セットには、本品と同内容のカード(デザイン違い)が含まれ、本作品を授業で活かすための解説もされています。高校の先生方は、そちらをご活用いただくとより実践的にお使いいただけます。

《まずは動く》をおなじないのように唱えて、奮起してます笑。

枕元に置いて、夜寝る前にパラパラとカードをめくって眺めてます。そのときに抱えている悩みや解決したいことによって、目に留まるカードが違います。気になるカードは「パターン名」がなんとなく頭に入っているので、実践の場ですぐに思い出せ、パターン名が合言葉やおまじないのように使えます。
実際にどのように役に立っているかというと、、、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、社内の災害対策本部の事務局をしているのですが、《でどころチェック》というパターン名がしっかりと頭に入っていることで、いろいろな情報が入ってくる中、情報源をきちんと確認し、どのようにその情報を使うべきかを見極めることができています。
普段の仕事は経営企画ですので、少数精鋭で地に足の着いた施策を立案して着実に遂行していかなければなりません。ひとりで悶々と考え停滞することもたまにあるのですが、《まずは動く》をおなじないのように唱えて、奮起してます笑。
仕事においても学びにおいても何かしらのヒントが得られるので、学生にも社会人にも主婦にもリタイア後にでも、どんな人にもお薦めしたいです。

40代/女性/IT業界

カードをきっかけにお互いの知識の共有をしたり、こういうことをやったらいいんじゃないかと簡単にアドバイスを与えられるようになり、議論が煩雑ではなくなった。

出身高校でグループワークをする時の手助けになるかと思い、購入して先生方に提案をしています。私の学校では探究というワークショップもあるので、そういった意見共有を円滑にできるかなと考えています。試しに出身高校の後輩に試してみたところ、オーストラリアに有袋類が多いと研究していた子と、各地の気候について調べている子が、オーストラリアという共通点を見つけ出し、現地の方に一緒にインタビューに行くようになったそうです。カードをきっかけにお互いの知識の共有をしたり、こういうことをやったらいいんじゃないかと簡単にアドバイスを与えられるようになり、議論が煩雑ではなくなったようです。
グループワークが必要な中学生・高校生、またはディスカッションが上手くなりたい方に勧めたいです。

10代/女性/大学生

  • どう工夫すればよい探究になるかがよく分からない。
  • 「探究活動」をしたつもりでも、調べ学習と変わらない結果になってしまう。
  • 子どもの「自由研究」を意味のあるものにしたい。

探究パターン<カード>

創造的な探究のためのパターン・ランゲージの内容を元に現状を把握したり、複数人で話し合ったりすることに向いています。自分の実践度を分類するワークカードや、自分のもっているコツの偏りを可視化するレーダーチャートをつくることもでき、ひとりでも自己分析が容易にできるようになっています。

  • 36個の探究のコツが書かれた36枚のカードセット。
  • カードはB7版(91mm×128mm)で紙製の箱入り。ワークカード・使い方説明書付き。
  • コーティング加工がなされているため、ワークショップ等での繰り返し使用に適しています。

*本商品(デザイン・サイズ違い)が含まれるベネッセコーポレーション探究学習用教材「未来を拓く探究シリーズ 探究ナビ」のプレスリリースはこちら

収録パターン

  • 【Core 探究を始める】

    自ら解き明かす / 一段上のチャレンジ / 自分にとっての意義

  • 【A 課題の設定】

    興味があること / 心の動き / 片隅に置いて過ごす /
    切り口の探索 / 自分なりのおもしろポイント / ナゾの発見 /
    未知かどうか / 無理がないか / 何の役に立つか

  • 【B 情報の収集】

    まずは動く / 仮説探偵 / リアルに触れる /
    でどころチェック / 周辺サーチ / オリジナルの情報

  • 【C 整理・分析】

    とにかく書き出す / 方法の道具箱 / ほかの人の目 /
    仮説に対する分析 / 想定外の発見 / 次のサイクル

  • 【D まとめ・発表】

    自分を入れる / 改善ダイアローグ / 徹底的な仕上げ /
    発見の共有 / 相手に届く伝え方 / 惹き込む魅力

  • 【E 振り返り】

    成長の振り返り / 振り返りテーブルトーク / 未来へのことば

  • 【Team チームで取り組む】

    お互いの活躍ポイント / 納得のステップ / 多様な参加

自ら解き明かす

よくある質問

Q.小学生でも使えますか?

内容としては小学生の探究(プロジェクトや自由研究と言われることが多いでしょうか)の質を高めるためにも使うことができます。ただ、小学生が習っていない漢字や表現が出てきますので、分かるように説明したり、「今困っているのはこれだね」と状況を分析してあげるなど、大人がサポートしてあげてください。気にしてほしいものを数枚選んで「こうするといいみたいだよ」と見せてあげるのも良いと思います。いずれにせよ、大人が必要なものを選んで説明し、そしてできれば、実際にどうするかを一緒に考えると「知りたい」という気持ちをうまく広げていくことができるでしょう。

例えば、情報の収集のしかたのコツのひとつ《仮説探偵》を使うとします。「たくさんの情報を調べても、知りたいことが分からないこともあるんだって。先に「こうかな?」と考えてみて、本当にそうかを調べてみるといいみたいだよ」とかみ砕いて説明します。そうして「〇〇だと思う」と自分の考えが出てきたら、「じゃぁ、こういうキーワードを入れて調べてみよう!」と一緒にやってみます。何度か一緒にやれば、次第に子どもひとりでそれができるようになります。いつしか忘れてしまって、情報に飲み込まれているようでしたら「《仮説探偵》してる?」と声をかけると思い出してくれるでしょう。「《仮説探偵》さん、今日は何が分かったの?」「あっ、それは《仮説探偵》の調べ方だね、いいね!」「今日はお父さんも《仮説探偵》してみたよ」などと会話に使っていると、子どもの中に仮説検証型の情報収集の思考が定着していきます。

高校生でもそうですが、小学生、中学生は探究パターンにあるヒントをすべて使いこなす必要はありません。一つ一つ取り入れていけば徐々に良い探究をする力がついていきますので、まずはお子さんが楽しめるものや、お子さんの引っ掛かりを先に進めてあげられるものを選んであげてください。

Q.授業での活動を前提としたものなのですか?

探究パターン・ランゲージの中には、授業で探究を行うことを前提としたカードもいくつかありますが、基本的には探究という活動そのものに焦点を当てたものですので、自分から学ぶ力をつけるという観点では、家庭における学びなど、学外でも参考にすることができます。

「なんでだろう?」「知りたい」「うまくなりたい」という気持ちを原動力として、ワクワクしながら新しいこと(手法や情報)を学んでいくというのは、自分の興味に合った知識を得られるばかりではなく、学びの楽しさを感じられるものです。それは「知りたいことを見つけて自分で学んでいく」という探究活動そのものでもあります。実は、日常の中ではこのような「知りたい」という気持ちは子どもの心の中に頻繁に起こっているものですので、その気持ちを捉え、実際の探究活動につなげるためのサポートとして使ってみてください。

「情報の収集」カテゴリーや「整理・分析」カテゴリーでは、調べたいことにどのようにアプローチすればよいのかが整理されています。また、「振り返り」カテゴリーでは、自分の探究を振り返り、次はもっと上手にしていくためにどうしたらよいかを自分で考えていくことができるでしょう。
(「課題の設定」カテゴリーや「まとめ・発表」カテゴリーは、比較的、授業の課題として探究をすることを前提としたものです。自分ですでに調べたい課題を見つけている状態や、発表が不要な状況では、参照しなくても問題ありません)

Q.高校生が一人で使う時にはどうしたらよいですか?

大きく分けると、「設計」と「振り返り」の2種類の使い方があります。

「設計」は、事前や探究中の使い方です。これから探究をするという時には、カードを見てみてどのように進めるとうまく行くのかを眺め、その中から自分でやってみたいものを選んでみます。今回チャレンジしてみたいカードを決めたら、そのプロセスが含まれるように探究の進め方を組むとよいでしょう。その考え方を使いながら探究活動をすることになりますので、終えたときにはそのカードに対する自分なりの経験を得た状態になります。次の探究の機会には違うカードを選んでもいいですし、前と同じカードを選んでさらなる進化を目指すのも良いでしょう。

また、探究中にうまく行かないという状態になってしまったら、自分を助けてくれるカードがないかを探してみるのも効果的な使い方です。例えばテーマを決めかねるようなら、「課題の設定」カテゴリーにある9枚のカードを見て、ワークカード(少し実践している・実践していないなどと書かれたカラーのカード)を使いながら、自分ができていないことを探してみましょう。できていないものの中から「取り入れたい」と思うものを選んで、そのカードに書いてある考え方を、自分の状況ならどのようにやってみられるかを考え、実行してみます。

探究を終えた後に「振り返り」として使う時には、ワークカードを使いながら、自分が「実践した」ものと「していない」ものを分けてみましょう。自分がしたことをしっかりと頭にとどめることで次も同じ工夫をすることができますし、こうすればよかったのかということに気付くこともできます。できれば、そのカードの内容について、自分が何をしたのか、次はどうしたいのかなどをノートに書いておきましょう。

探究中は、目の前のことに一生懸命取り組んでいるためか、すばらしい工夫をしていたとしても自分で気付いていないことがあります。そのことに気付かないまま、探究しっぱなしにしてしまうと、その工夫や努力が探究の力として自分に定着せず、偶然の出来事として消えてしまうかもしれません。うまくできたことを客観的に認識し、自分の経験として定着させることは、自信になるだけではなく一回一回の探究を経験として積みあげていくためにも大切なことです。特に探究活動の全貌がつかめていない時には、良い探究にするべく抑えておきたいポイントをこのカードで確認できるため、振り返りを効率的にすることができます。

変化の激しい中では、チャレンジすべきことを見つけ、常に学びながら状況を変えていく力、つまり探究の力が求められます。

国際化、情報化、少子高齢化などの流れの中で、私たちを取り巻く社会は数十年前に比べて非常に複雑になっています。答えの明確な問いを解く力も大切ですが、社会の中には、そういった力では容易に解けない課題がたくさんあります。さらに、それらは絡み合い、解くべき課題が何なのか、何を考えればよいのかをつかむことさえ、難しくなってきています。

今の子どもたちは、このような社会を生き抜き、変えていかなければなりません。変化の激しい中では、何か特定の知識やスキルを持っていれば良いというわけでもないでしょう。チャレンジすべきことを見つけ、常に学びながら状況を解き明かし前進させていく力、つまり探究の力が求められます。また、探究力は社会的な課題を解くだけのものではありません。自分の知りたいことを知ることができれば、より快適な状況をつくり、不満を解消していくことができるようになります。自分らしく生きていくためにも、身の回りで解き明かすべきことを見つけ、探究していく力が必要となってくるのです。

本商品は、人が持っている「知りたい」という力を原動力としながら、いきいきとした探究活動を行い、「知りたかったことを解き明かせる」経験をすることを支援します。公的教育でもスタートする「探究」を、より得やすいものとし、それぞれが「解き明かす」力をつけることによって、子どもたちがこれからの社会で生きることを楽しみ、アレンジしていけるようになることを願っています。

探究パターン<カード>

創造的な探究のためのパターン・ランゲージの内容を元に現状を把握したり、複数人で話し合ったりすることに向いています。自分の実践度を分類するワークカードや、自分のもっているコツの偏りを可視化するレーダーチャートをつくることもでき、ひとりでも自己分析が容易にできるようになっています。

  • 36個の探究のコツが書かれた36枚のカードセット。
  • カードはB7版(91mm×128mm)で紙製の箱入り。ワークカード・使い方説明書付き。
  • コーティング加工がなされているため、ワークショップ等での繰り返し使用に適しています。

*本商品(デザイン・サイズ違い)が含まれるベネッセコーポレーション探究学習用教材「未来を拓く探究シリーズ 探究ナビ」のプレスリリースはこちら